あたし×アイツ等
第一印象は『水玉パンツ』


肌を刺す様な風が吹く


今日は寒いな~と思いながらあたしは目線を上にやった


見上げてもまだ上が見えないぐらいの高いビルとビルの間を

あたしは重い足取りで歩いている


捲れあがりそうになるスカートを抑えて「はあ」、とあたしは溜め息をつく


息が白くなり始めたこの時期に

あたし、一之瀬春子は母の仕事の都合で住んでいた田舎を離れ

正反対の都会に引っ越すことになったのだ。


ブル、と身震いをする


「・・・友達できるかな」


こんな時期に転校なんて自分でも不思議だと思う。

なによりあたしはあまり社交的ではないからこそ余計心配になってくる


高校1年生の冬。数ヶ月もすればあたしは中学2年生だ

・・・どうせならその頃に転校させてくれればよかったのになと思ってしまう。



・・・切り替えよう
第一印象が大事なんだから。


頭を軽く横に振り、息を思いっきり吸い込んだ。

目を閉じて、ゆっくりはく。

肺がヒヤリと冷たくなった気がした。



「・・・よし!」


勢いよく目を開けて

あたしは一歩前へ進む


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