キミが翔ける道

そう言って立ち上がると共に、力を入れた左腕が痛む。




「一緒に帰りたかっただけだし。」




平然とした顔でそう言った由伊。
悲しむような顔を見せるが、私には裏で笑っている顔が見えた。


その顔が、凄く憎らしかった。




「そうやって…ずっと嘘ついてきたくせに。」




「は？意味分かんない…」




“何の事？”っといった表情を見せる由伊を、私は呆れた目を向けた。




「毎日…私が帰らないって言えば不満そうな顔して…帰れば嬉しそうな顔をする。」




「そんなの友達なんだから当たり前のことでしょ？」