キミが翔ける道
顔を上げ、そこにいたのは肩を上下させた彼。




「ゴメン!…どこ痛い?」




「…え……肩…と…左腕…」




目の前の彼から目が離せ無くて、ゆっくり彼の問い掛けに答えた。




サッカー部の練習用ユニフォームを着て、慌てて来たかのように、スリッパを履いていない。




何か、忘れ物を取りに来たのかな?




そう思ってた…。




「…取り合えず先生にまだバレてないみたいだから保健室行こ?」




「え…でも、高梨くん――…」




「俺はいいから!」




真剣な彼の勢いのあまり、私の身体は彼にされるがまま…教室を後にしていた。


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