キミが翔ける道
「……え?そんなに腫れてる?」




ひやりと貼られた湿布。
ブラウスを羽織ってクルリと彼へ向き合う。




「…青くなってる。打撲だけど、骨にヒビ入ってるかもしれないから…」




「…うん。」





視線を私と合わせようとしてくれない彼。




何で?





彼の顔を覗き込んでみる。

でもフイッとあからさまに背けられた。




「…高梨くん?」




「…ん…?」





返事はしてくれる。
のに、何で?





「目、合わせてくれないの?」




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