幸せの残量─世界と君を天秤に─



「いいなー、亜優美は。あたしも体育なんてやりたくなーい」


じゃあ代わって、とは思わない。


「がんばれー」


そうゆるーく声を掛けるだけ。

もちろんスマイル0円。



いつからだっけ。

走れなくなったのは。


いつからだっけ。

羨むことを拒み始めたのは。



同情の視線が苦しくなったのは。




< 10 / 217 >

この作品をシェア

pagetop