幸せの残量─世界と君を天秤に─
亜優美を抱えベッドへ運んで。
「きゃはは!姫だきぃ」
「……、」
「に゛ゃん!」
落とした。
「ん゛ー」
「唸るな」
ベッドの上に落としたから痛くはないはず。
むしろ酔いが冷めるんじゃないか?
「巧しゃーん」
……冷めないか。
「みーずぅー」
「水?」
取ってこい、と。
こいつ酔うと態度がでかいな。
……いつもか。
「たくみしゃん……」
「……仕方ないな」
キッチンへ水を取りに向かった。