幸せの残量─世界と君を天秤に─


「嫌いになるようなことを考えてるのか」


「うーん…………うん」


「、馬鹿か」



何を言うかなんて関係ないのに。


「言ってみろ」


むしろ酔ってまで言いたいことなんて。



「……………さみしー、んです」



寂しい?

「何が」


「……たくみさんがいないことー」


俺がいないって……。

「ここにいるだろう」


冷たいベランダで、体温を分け与えるように抱き締める。





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