幸せの残量─世界と君を天秤に─


「とりあえずお粥でも作ってきます。大人しく寝ててくだちゃいねー」


「お前……治ったら覚えていろ」


「バカなのでそれは無理です」


そう言うと、言い返す体力もないのか、苦しそうに息を吐いた。


これは大変。

くだらない言い合いをしてる場合じゃないですね。



私は体温計を仕舞ってからキッチンへお粥を作りに行った。


……お粥、作れるかな。


そんな不安を抱えつつ。






< 125 / 217 >

この作品をシェア

pagetop