幸せの残量─世界と君を天秤に─
「巧さんは理系ですもん。数学なんて楽勝だったんでしょーねー」
つーん。
「俺に苦手なものなどあるわけないだろう」
「…………はいはい。流石巧ちゃまでちゅねー」
「お前な、」
まあ、巧さんは本当に頭良いんですけどねー。
流石、東大医学部。
……そういえば。
「ねぇ、巧さん」
他意なんて、なかった。
「ん?」
まさかあんなことになるなんて。
「巧さんって…」
でもね、
「どうして、医者になったんですか?」
私たちには必要なことだったと思いませんか?