幸せの残量─世界と君を天秤に─
相談ってほどではないですが
「…で?」
学校が終わり、巧さん家に帰ってくると既に巧さんは帰宅していた。
エスパーかと思うほどのタイミングで『また何かくだらないこと考えてんのか』って言った巧さん。
言うつもりは無かったのに思わず今日の出来事を話してしまった。
そして先ほどの言葉がソファーに座っている巧さんの口から発せられたってわけです。
「や、特にどうというわけでは…」
私はというと、巧さんの前に座っている。
何故か正座で。
「ほう…。俺に嘘をつくとはいい度胸だな」
「嘘なんて…」
「お前が俺に相談してきた時点で気にしてるってことだろう」
「ついてない」その言葉を言う前に巧さんに重ねられた。