幸せの残量─世界と君を天秤に─


「お兄ちゃん、亜優美と知り合いなの?」


「担当の子」


「へぇ」


「お、お兄ちゃんですと!」


衝撃再び。

いやもう、さっきから大声出しすぎて喉痛い。

痛いけど、そんなことも今は気にならない。


柿崎と裕司先生が兄妹?

そんな馬鹿な。


「いや、だって…」


「だって?」


「似てな…………いこともないのか」


主に腹黒そうな所が。


「…亜優美?」


ユカさま。美人なのに笑顔が怖いなんてあるんですね。

そういえば裕司先生の笑顔も怖いことが…。


「亜優美ちゃん、今度の点滴特別に長くしてあげようか」


「ゴメンナサイ」



ああ、やっぱりこのふたり兄妹だ。






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