幸せの残量─世界と君を天秤に─
「相変わらず頭が悪いな」
「…どーせ私は巧さんみたいに頭良くないですよーだ」
東大医学部卒のお医者様と比べられても困るんですがね。
「だから、誰も他人(ひと)の考えてることなんて分からないんだよ。本人意外はな」
「そうですね」
「その友達が本当にお前に同情しているかどうかもな」
「え?」
巧さんの言葉に頭の中はクエスチョンマークだからけ。
どういう意味か聞こうとしたら、巧さんは席を立ってコーヒーを淹れ出した。
こうなったらもう答えてはくれない。
自分で考えろってか。