幸せの残量─世界と君を天秤に─
見えたの、愛のカタチ
「血圧よし」
真っ白な白衣。
「脈拍よし」
知的な眼鏡。
「顔色よし」
楽しそうなイケメン。
「その他諸々よし」
私の担当医、爽やか隠れドS龍崎 裕司先生、独身27歳は言った。
「退院、許可!」
「わーい。ぱちぱち」
倒れたまま入院して3日。
漸く退院の許可が出た。
「何だか嬉しそうだね」
「そりゃあ、一日中病院にいる苦痛から解放されるんですもん」
「んー、それと?」
「巧さんとデートなんで、す?」
ちょっと待て。何かがオカシイ。まるで誘導尋問された気分。
「へー、デートねぇ」
「そのニヤニヤ顔には全力で突っ込みたいですが、とりあえず何故分かったんですか」
「……勘?」
何それこわい。
爽やかに微笑む裕司先生。相も変わらず掴めない人だ。