幸せの残量─世界と君を天秤に─


「やだな。冗談ですよ」


「まあ、何でもいい。俺は今からお前で遊ぶだけだし」


「まさかの玩具宣言」


そんなにさりげなく言われるとは思わなかった。


「んん…っ」


何の脈絡もなく重なった唇。


驚いて目も開けたまま。


「ぷはっ」


「目くらい閉じろ」


「いやいや。普通なんか前フリあるでしょう」


「そんなもの知らん」


「えー…」


白い目で見てやりましたとも!




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