幸せの残量─世界と君を天秤に─
「何だ水上。珍しいな、じゃあこの問題やってみろ」
「………は?」
松もっちゃん(数学教師)の声が聞こえて顔を上げると、黒板には解読不可能な数式とその前に立っている松もっちゃん。
…いつ授業始まった?
しかも手を振っていたせいか、当てられた。数学なのに。
「わ…」
「かりませんは無しな」
「…チッ」
読まれた。
「じゃあー…2√20」
勘も甚だしいよね。当たるわけが…
「はい、残念」
…ないよねぇ。
ちょっと期待したのに。