幸せの残量─世界と君を天秤に─


「でも」



私が一方的に色々と悩んでただけなんだけど



「ちゃんと、話しました」



聞いてみたら、



「意外と」



私が思っていたよりも、
ずっと



「世界には色がついていました」




私が笑ってそう言うと、巧さんはその整った口元を少し上げて


私の頭をそっと撫でた。







< 41 / 217 >

この作品をシェア

pagetop