幸せの残量─世界と君を天秤に─
「拗ねるな」
「拗ねてませんよーだ」
ソファーの上で体育座りになって膝の上に顎をのせる。
そしたら巧さんはいつも私の頭を上から押してくるんだ。
「痛い、痛いです巧さん!」
ちょっ、誰かこの人のドS加減どうにかしてっ。
「何だ。押さえつけて欲しいんじゃ無かったのか」
「そんな自傷的な精神は持ち合わせていません」
巧さんは私を何だと思ってるんですか。
「玩具」
「まさかのっ」
またですか。
そろそろ泣きますよ。
と思ったけど一向に涙腺が緩む気配はないですね、わかってました。