幸せの残量─世界と君を天秤に─
「あー…すいません」
しかも、持っていたコーヒーをぶつかった人の腕にかけてしまった。
「……」
これはちょっとまずいな。
何故ホットにしたんだ自分。
「大丈夫ですか?」
「ああ…」
や、大丈夫ではないと思うんですが。
「本当にすみません…」
「…気にしなくていい」
「あ、……」
そう言うとその人は行ってしまった。
火傷……してるよね…?
その日はずっとその人のことを気にして過ごした。