幸せの残量─世界と君を天秤に─



「亜優美ちゃん、ちょっと顔が赤いね。……熱はないみたいだけど…一応検査する?」


「あー…や、大丈夫です。そういうんじゃないんで」


巧先生の笑顔に照れた、なんて絶対言えない。


「じゃあどういうの?」


「あははー……」


これは…バレてる?
なんか顔が面白がってる!


「なに、芸能人でも見かけた?それとも好きな子。いや、……巧かな?」


「なっ!?」


何この人。怖い。


眼鏡の奥で光る瞳がまるで面白いオモチャを見つけた子供のように輝いた。








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