幸せの残量─世界と君を天秤に─
「んーと、終わってからでいいんだけど、この書類届けて来てくれない?……巧に」
「行きましょう」
巧先生の名前を聞いて思わず即答してしまったことに後悔。
…だって裕司先生の顔がニヤニヤと締まりのない顔になっているから。
「……何ですか」
「べつにー?」
「じゃあ早くして下さいよ」
それから診察の間、何故かソワソワしている私を裕司先生は面白そうに見ていた。
てか何で私こんなに急いでるの?