フラワーデイズ
何気なく空を見上げると、まさにスカイブルーとでも言うような爽やかな色の空が広がっていた。

初めてパパと出逢ってから、今年でちょうど10年目。

私もそろそろ三十路のおばさんだ。

最近は何だか化粧のノリも悪くなってきた気がするし…

ちょっと坂道登っただけで、すぐ疲れるし…

やっぱりもう歳なのかなぁ~?

視線を地上へ戻すと、ちょうど目の前を自分よりも若い夫婦が通った。

旦那さんが葵と同じくらいの子供を肩車している。

「若いなぁ~。奥さんなんて、まだ25にもなってないんじゃないの?」

無意識に独り言が出た。

ヤバっ…独り言なんて、おばさんの象徴じゃない。

気をつけないと。

おばさんの定義について考えていた時、爬虫類コーナーに行っていたパパが戻って来た。

でも、パパの手は両方とも空いている。

「結構楽しかったぞ。お前にも爬虫類の良さが分かれば…」

「ねぇ、パパ」

私はパパの爬虫類トークを遮って、辺りを見回した。

「葵は?」

「えっ?葵なら俺のすぐ後ろに…」

そう言われて、パパは自分の後ろを振り返る。

「あぁー!!葵がいない!!」

愛しの天使ちゃんの不在に気付いた私たちは、一瞬にしてパニック状態に陥った。


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