フラワーデイズ
「どうして葵の手を離しちゃったのよ!」

「別に離したくて離したわけじゃない!できれば、変な男が寄り付かないように一生繋いでいたいくらいだ!」

…ん?

話がずれてるよね?

「とにかく、そう遠くには言ってないはずだ!」

「手分けして探しましょう!」

「あぁ!見つけたら携帯で教えてくれ!」

「分かったわ!」

こうして私たちは行方不明になった葵を探すために、全速力で駆け出した。

私は今まで見てきた道を。

パパは私とは反対の向こう側を。

心臓がバクバク動いて、今にでも爆発しそうになっている。

ママとパパと離れて不安で泣いてる葵を想像するだけで、胸が痛くなった。

早く見つけてあげなくちゃ!

せっかくの誕生日なのに!

左も右も、首が疲れるくらい見ているのに、葵らしき女の子はどこにもいない。

「すみません!ちょっと通して下さい!」

すれ違う人にぶつかりながらも、細心の注意をはらって葵を探す。

今日は本当に人が多い。

この中から探すのは本当に大変そうだ。

でも、葵を見つけないと…

私は額に汗を浮かべながら、葵を探し回った。


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