フラワーデイズ
貴之の話はまだ続く。

「俺、わけ分かんなくてさ。でも、快が『葵の将来がかかってるんだ!』とか言い出したんだ。さすがに将来がかかってるって言われたら、こんな変な衣装でも着なきゃいけないだろ?それで今にいたるわけ」

貴之が話し終わると、再び大爆笑の嵐が私たちを襲った。

それはもう大きな大きな嵐だった。

「貴之、アンタ最高!」

「このネタであと1ヶ月は笑えるわ!」

「いや~、お前のおかげで葵の将来は救われた!」

私たちの笑いに対して、貴之1人が不満そうな顔をしていた。

それもそうだ。

ここまでみんなにバカにされるなんて。

いや、決してバカにしてるつもりはないんだけどね。

あまりにも笑える格好だから。

「葵、これはパパとママからの誕生日プレゼントだ」

そう言って、パパは1つの袋を葵に手渡した。

ピンク色で丁寧に包まれたプレゼント用の袋。

葵は笑顔でそれを受け取ると、すぐにその袋を開けた。

「うわ~!」

葵の歓喜の声が部屋に響き渡る。

「葵、嬉しいか?」

「うん!パパ、ママ、ありがとう!」

葵への誕生日プレゼント。

それは貴之とセットのミツバチ君の衣装だった。


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