フラワーデイズ
葵は勢い良くベットから飛び降りると、上の方を指差して大声で言った。
「ミツバチ君!ママ!ミツバチ君の時間だよ!」
葵の指差す先にあったのは、6時30分を告げる壁時計。
ミツバチ君とは今、葵が夢中になっているミツバチが主役の子供向けアニメ番組のことだ。
「そうね。ほら早く行かないとミツバチ君が始まっちゃうわよ」
「うん!ミツバチ君~!」
ミツバチ君の名前を叫びながら、可愛い可愛い天使ちゃんは元気よく階段を降りていく。
嵐の去った後の寝室には、ショックを受けたままのボサボサ頭のパパが残っていた。
「ママ…」
「何?」
「葵にはもう好きな子でもいるのか?」
パパがあまりにも真剣な表情で言うから、つい笑いそうになってしまった。
やっぱりお父さんにとって娘は大事な存在なんだね。
この感情を抱くのはまだ少し早い気もするけど。
「そうねぇ、神崎さん家の蓮くんなんかが怪しいかもね」
「マジかよっ!5才児に恋愛はまだ早いだろ!幼稚園は何教えてんだよ!」
何教えてんだよって…折り紙とか、お絵かきとか?
私は上半身だけ起こしているパパの近くに腰を下ろして言った。
「冗談よ。今の葵はミツバチ君に夢中なんだから。きっと男の子よりもミツバチ君が好きなはずよ」
「本当か?ミツバチ君と蓮だったら絶対ミツバチ君をとるか?」
「えぇ、絶対ね」
そう言うと、パパはホッと安心したように微笑んだ。
パパは本当に葵のことが大好きなんだから。
ちょっと妬いちゃうじゃない。
「ミツバチ君!ママ!ミツバチ君の時間だよ!」
葵の指差す先にあったのは、6時30分を告げる壁時計。
ミツバチ君とは今、葵が夢中になっているミツバチが主役の子供向けアニメ番組のことだ。
「そうね。ほら早く行かないとミツバチ君が始まっちゃうわよ」
「うん!ミツバチ君~!」
ミツバチ君の名前を叫びながら、可愛い可愛い天使ちゃんは元気よく階段を降りていく。
嵐の去った後の寝室には、ショックを受けたままのボサボサ頭のパパが残っていた。
「ママ…」
「何?」
「葵にはもう好きな子でもいるのか?」
パパがあまりにも真剣な表情で言うから、つい笑いそうになってしまった。
やっぱりお父さんにとって娘は大事な存在なんだね。
この感情を抱くのはまだ少し早い気もするけど。
「そうねぇ、神崎さん家の蓮くんなんかが怪しいかもね」
「マジかよっ!5才児に恋愛はまだ早いだろ!幼稚園は何教えてんだよ!」
何教えてんだよって…折り紙とか、お絵かきとか?
私は上半身だけ起こしているパパの近くに腰を下ろして言った。
「冗談よ。今の葵はミツバチ君に夢中なんだから。きっと男の子よりもミツバチ君が好きなはずよ」
「本当か?ミツバチ君と蓮だったら絶対ミツバチ君をとるか?」
「えぇ、絶対ね」
そう言うと、パパはホッと安心したように微笑んだ。
パパは本当に葵のことが大好きなんだから。
ちょっと妬いちゃうじゃない。