Can laugh sometime
朝会社にきてみるとプレゼンの企画書が、無い。
ロッカーの中にも引き出しの中にもどこにも無い。
まさか、と私はコピー機の隣にあるシュレッターの中を見てみた。
見慣れた紙が無惨な姿になってそこにあった。
「ふざけるな」という気持ちより「嘘だ」と苦笑しながらその場にへなへな座り込んでしまった。
「ハハハ…ハハ…」
「理彩?」
振り返るとサトシが立っていた。
笑ってる時間なんてない。
今すぐ、企画書を作り直さなきゃ…
私は立ち上がりデスクに戻ろうとした。
しかしそれはサトシの腕によって阻まれる。
「ちょっと離して?企画書やり直すから…」
「どうしてそんなに「完璧」にこだわんだよ」
「説教は後で聞くから」
「少しぐらいはみ出したって、完璧じゃなくたっていいだろ?!頼れよ、俺を」
そうして私を抱き寄せた。
早朝で人がいなくて良かったと安心する反面胸の奥から何かが湧き上がるものがあった。
「頑張りすぎなんだよ。諦める事も時には大事なんだって」
サトシがその言葉を言った瞬間、私の中で何かが壊れた。
「完璧じゃ…なきゃ…」
「完璧じゃなくていい。完璧じゃなくていいよ…弱音だってはけばいい。強がってねーで俺を頼れ」
ツーっと生ぬるい涙が私の頬を伝う。
「わっ…私…」
「泣け泣けー」
サトシは私が泣き止むまで頭を撫でてくれた。
十分に泣いた後私はサトシと企画書をやり直し
見事プレゼンは成功した。
Fin. .