拝啓、大好きな君へ
まさか、私が……。
―ピーンポーン
「惠ー!咲希ちゃん来たわよー!急ぎなさーい!」
「はいはい、今行く!」
そう言って、朝からバタバタする私は、篠崎 惠(シノサキ メグミ)、中学一年生。
そして、朝から待ってくれてるのは、同じく中学一年生で同じクラスの、永野 咲晞(ナガノ サキ)。
幼稚園からの付き合いで、家族同士も仲が良い。
いわゆる、幼なじみ。
「ほら惠、早く!」
「わかってるって!じゃ、行ってきまーす!」
―バタンッ
勢いよくドアをおもいっきり閉めた。
「ごめん、咲晞、待たせちゃって~」
「大丈夫。いつもよりは待ってないから」
"いつもよりは"ですか―…。
「そういえばメグ、今日テストあるの覚えてる?」
忘れてました…、私のあだ名、メグです。言ってなくてすいません……。
―って……
そっちじゃなくて!
テストぉぉ!!
忘れてた……。
そういえば今日、テストあるとかないとか…、言ってたような…、言ってなかったような…。