狼男な王子様!?
「大したことじゃないよ。ということで先生、少し借りていきますね」
聖花ちゃんに睨まれても笑顔を崩さないまま。
しかも私の視線の先にいた先生はその問いかけにしっかりは頷いていた。
「……へっ?」
気づいたら教室の外にいた。
何でこんなめんどくさい展開に……。
「君、名前は?」
私の手をひいて歩きながら先輩が振り返った。
「……雛……ですけど」
私の勝手な想像だけど、この人は絶対にめんどくさい!
「そっか、じゃぁ雛。今日から僕と同室ね」
同室……?
いまだ笑顔の先輩の言うことが私には理解できなかった。