ほんとはね、キミのこと…。
~新学期~
君と出会ったのは、
高二の春だった。
あの時私は、
確かに何かを感じたんだ―。
桜がひらひらと舞う、春。
私、横山瑞希は
高校二年生になった。
桜をボーッと見ていたら、
誰かにぶつかってしまった。
「あっ、わりぃ!大丈夫?」
「大丈夫です、すいません!」
これが君と私の出会いだった。
私は君の顔をよく見てなくて…
でも声だけは、
ちゃんと覚えてたんだ―。