ほんとはね、キミのこと…。
初めて依田君の目を見て話せた。
すると依田君は「おう」とだけ言って顔をそらした。
依田君の顔がちょっと赤くなってる気がした。
「依田君?」
「よ、よし!次いくぞ!」
依田君はバッと立ち上がり
ずんずんと歩く。
「あ、うん!」
―ドクン。
ん?なんだろ、この音。
私はこの胸の鼓動の意味がわからなかった。
この時、この胸の鼓動の意味がわからないなんて、今思うと自分はまだ子供だったなと思う。
ま、いっか。
私はその気持ちの意味がわからないまま彼についていった。
私の顔は、自然と笑顔になっていたー。