【短編】じゃんけん王
(勝ちパターン)
3万人が固唾を飲んで大型モニターを見つめていた!
和紀は肩で息をして、あれだけ冷静に見えた老紳士も、額から一筋の汗を流していた。
準決勝までの大騒ぎとは打って変わり、決勝は二人の緊張感が東京ドームを包み込んでいた!
『え〜それではそろそろまいります! 100万人の史上最大のじゃんけん大会の決勝戦!2勝2敗のタイスコアとなりました!これが最後の大勝負です!』
『決勝のお二方、そしてここにいる3万人の皆様とインターネットテレビでライブ映像を見ているみなさん、これで本当にすべてが決まります!心の準備は…』
『…よろしいですか?』
司会者は抑揚を付けたお得意のマイクパフォーマンスで盛り上げるだけ盛り上げ、最後の確認部分だけは、小声で呟いた。
『では…まいります!』
(…ゴクッ)
…
『せ〜の〜』
『じゃ〜んけんっ』
[→]___
決定