【短編】じゃんけん王

東京ドーム初戦〜


東京ドーム内はいつものスポーツ観戦の雰囲気とは一変し、一種異様とも言える雰囲気を醸し出していた!
富と名声がじゃんけん一つで掴めるとあって、大勢の有象無象が目を輝かせていた!





じゃんけ〜ん


[→]__
     決定

あ〜いこ〜で


[→]__
     決定

あ〜いこ〜で


[→]__
     決定



和紀はなんとか大事な東京ドーム初戦を乗り切った。興奮したそぶりを隠し、少し引きつった笑顔で対戦相手の中年女性と握手を交わした!



注意
突然ですが、ここからはあなたが和紀です!
カーソル部分に何を選択するかを決め、決定ボタンを押して下さい!
(決定ボタンは、実際には押せません)

和紀を優勝に導くのはあなた次第です!ぜひお力沿いをお願いいたします!





ドーム決戦3回戦


[→]___
     決定

(*相手はの繰り返し)



(負けパターン)

決勝大会の3回戦の相手は、二十歳前後の女性だった!
鼻筋の通ったいかにも美人という顔立ちの女性で、耳元のピアスがよく似合っていた。そのピアスは利き腕の左手を繰り出す度に、振り子のように揺れていた。
そしてその女性が、数回跳ねて喜びを表現した時、そのピアスも一緒に小躍りをしていた!



和紀は敗者復活戦にも呆気なく敗れ、じゃんけんゲームはここで終わりを告げた。もっと最後まで残れる予感がしていたのだが…

東京ドームの回転扉に押し出された和紀は、名残惜しさに思わず振り返った。
そしてその回転扉が回る度に、何度も写し出される茫然とした自分の姿を見た時、自分が自分ではなかったような奇妙な感覚にとらわれた!



FIN



(勝ちパターン)

決勝大会の3回戦の相手は、二十歳前後の女性だった!
鼻筋の通ったいかにも美人という顔立ちの女性で、耳元のピアスがよく似合っていた。そのピアスは利き腕の左手を繰り出す度に、振り子のように揺れていた。
しかし4回戦で、…揺れる事はなかった!
< 4 / 20 >

この作品をシェア

pagetop