【完】キミと夏のオワリ

俺はまだその時、皆川がどうしてそこまで、ウイニングボールにこだわるのか分からなかった。



分かるわけもない。



だって皆川は、何も言わなかったから。


いつものように、野球部のマネージャーとして、仕事をこなして。


ミスばかりを繰り返す、ダメな俺たちに檄を飛ばしながら。


そうやって、何もないように自分を偽って、過ごしていたから。

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