壊れた あの子








キッチンには

リーちゃんがボーっと立っていた


その周りには割れたコップ

そして上から下へと滴る赤い液体





「リーちゃん

ちょっと指見るよ?」


そう言うと僕はリーちゃんの指を見た




少し深く切ったようだ




「手当てしよっか

こっちにおいで」


そう言っても動こうとしない





「リーちゃん・・・・?」





「血・・・・」





「うん、早く手当てしようね」





「私、自分も血も嫌い」ボソッ




・・・・だろうね






< 6 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop