21世紀シンデレラストーリー





次の日、久しぶりに懐かしの故郷を

歩いてみようとお昼過ぎに家を出た


「うーん、まずはあそこかなっ」

とウキウキしながら向かったのは

よく皆で行って遊んだ川だった

川は浅くて、小さい魚がいっぱいで

私とこう君は魚を捕まえようと川に入り、

ちーちゃんとけんちゃんは川の周りで

その様子を楽しそうに見てた


4人で川で鬼ごっこをして

びしょ濡れで帰った事もある




そんな事を思い出しながら

歩いていると

「着いた…」

その光景は昔のまんまだった

私は嬉しくて駆け寄った


そして土手の芝生に腰掛け、

バタンと寝っ転んだ

目をつぶってジーとしてると


「綾女ちゃん?」

とっても可愛いらしい声とともに

私の顔の前に影ができた

ソッと目を開けると


色白で長い黒髪で目が大きくて

細くて…人形みたいな子が立っていた


その子は驚いたようにこちらを

見ている

私はすかさず


「ちー…ちゃん…?」

と聞いた

そしたらその子はまた驚いた顔になって

目いっぱいに涙をためた

そして


「綾女ちゃ~ん」

と言いながら抱きついてきた











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