オトナな初恋

恋のはじまり

月曜日
天気は雲ひとつない快晴。降水確率も0%


なのに私は傘をもって出勤してた。


更衣室に着いて着替えようとしていると、同期で1番仲の良い、北川 奈緒に声を掛けられる。


『亜希、おはよう。その傘どうしたの??』


「奈緒おはよう。この傘借り物でね、早く返さなくちゃと思って持ってきたの。」


着替えながらそう答えた。

『そっか。会社の人?』


「う、うん。そう。」

何となくこの場所では言いずらい。だって更衣室には他にもいっぱい人がいて、誰が聞き耳たてているかわからないもの。


『誰から借りたの?』


奈緒はお構いなしに聞いてくる。


「私今日給湯室当番だし、もう行かなくちゃ行けないから、お昼にでも話すね。」


そう告げて、更衣室を出た。


そう、給湯室当番とは、私のいる営業推進部の中で決められた当番。


コーヒーやお茶をセルフサービスで飲めるように、朝と、昼と、2回作らなくちゃいけない。


当番の日は面倒だと思っていたけど、今日は助かっちゃった。


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