オトナな初恋
次の日、少し早く出勤した。


今日は残業なんて、したくなかったし、何より拓海さんに早く逢いたかった。



「おはようございます。」

『おはよう。今日はいつもより早いな。』



私よりも少し後に来た拓海さん。


「土曜日ですし、残業無しで帰るには、少し早くから始めていないと、終わらないんですもん。」


『ははっ。確かに。俺も早く帰りたいから、頑張らないとな。』



早く帰りたいって…もしかして…今日はもう、誰かと予定入ってる?


昨日の光景が、頭の中をよぎる。


「あの…今日…逢えませんか?」


『ん?』



「…仕事が終わってから…一緒にいたいな。なんて…」



『…あ〜…午後から、人と会う約束してるんだよ。』



「そう…ですか…」


人って誰…?
やっぱり昨日のって…見間違いじゃなかった?




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