オトナな初恋
後部座席から上着を持ち上げた瞬間、
ふわっと、香水のような香りがした。
え??
上着に鼻を近づける…
拓海さんのスーツの上着から、確かに香る匂い。
この香り…男物の香水じゃない!
だって、更衣室でつけてる人、いたし。
今TVで流行の女優さんが宣伝している、香水の香りだって言ってた…
どうして?
どうして拓海さんの上着から女物の香水の香りがするの?
やっぱりさっきのって…拓海さんだったの?
一緒にいた人の香りが移るくらい密着してた?
「―ッ!!」
拓海さんが車へと駆け寄ってくるのが、見えて、慌てて上着を後部座席へ戻す。
『待たせたな。
…? どうした?顔色良くないぞ?』
覗き込んでくる拓海さん。
「そ、そんなこと、ないですよ?思ったよりお腹すいてたのかな?ちょっと車酔いしちゃったのかも。」
『お前、酒も弱いけど、車にも酔いやすいんだな。』
そう言って、私の頭に手を置く。
「滅多に車酔いなんてしないんですけど…」
不思議…心の中は拓海さんにたいしての、どうして?
何で?で溢れているのに。
私なんでこんなに普通に話できてるんだろう。
『車で5分くらいのところに、パスタ屋あったはずだから、あと少し我慢できそうか?』
「はい。大丈夫です。…窓開けててもいいですか?」
『ああ、構わないよ。』
進みだす車。
本当は酔ってなんかない。でも、さっき嗅いだ香りが、鼻にこびりついてる気がして、
拓海さんに見られたくなくて、…私は窓を開けて、ずっと外の景色を眺めていた。
ふわっと、香水のような香りがした。
え??
上着に鼻を近づける…
拓海さんのスーツの上着から、確かに香る匂い。
この香り…男物の香水じゃない!
だって、更衣室でつけてる人、いたし。
今TVで流行の女優さんが宣伝している、香水の香りだって言ってた…
どうして?
どうして拓海さんの上着から女物の香水の香りがするの?
やっぱりさっきのって…拓海さんだったの?
一緒にいた人の香りが移るくらい密着してた?
「―ッ!!」
拓海さんが車へと駆け寄ってくるのが、見えて、慌てて上着を後部座席へ戻す。
『待たせたな。
…? どうした?顔色良くないぞ?』
覗き込んでくる拓海さん。
「そ、そんなこと、ないですよ?思ったよりお腹すいてたのかな?ちょっと車酔いしちゃったのかも。」
『お前、酒も弱いけど、車にも酔いやすいんだな。』
そう言って、私の頭に手を置く。
「滅多に車酔いなんてしないんですけど…」
不思議…心の中は拓海さんにたいしての、どうして?
何で?で溢れているのに。
私なんでこんなに普通に話できてるんだろう。
『車で5分くらいのところに、パスタ屋あったはずだから、あと少し我慢できそうか?』
「はい。大丈夫です。…窓開けててもいいですか?」
『ああ、構わないよ。』
進みだす車。
本当は酔ってなんかない。でも、さっき嗅いだ香りが、鼻にこびりついてる気がして、
拓海さんに見られたくなくて、…私は窓を開けて、ずっと外の景色を眺めていた。