オトナな初恋
『ちょっとぉ―!拓海ひどい!私が見つけてあげたのに置いてくなんて!!』



拓海さんの言葉を遮って、駆け寄って来た女の人。

拓海さんの服を引っ張る。



『拓海が置いてくから、酔っ払いに声かけられて、怖かったんだからね!』





『…ちょっと黙っててくれよ。』



『何それ!ひどくない?いつも拓海って……あッ!』

『おいッ!』
『亜希ちゃん!』



こんな間近で話している二人の姿を見てられなくて、その場を逃げ出した。








『待てって!亜希ッ!!』


掴まれた手。


「やぁッ! はな…してッ!!………!?」


その手を振りほどこうとするけれど、出来なくて…そのまま後ろから抱き寄せられる。



「離してよぉ!触らないで!!」


腕の中で暴れる私を、より一層強く抱きしめる拓海さん。





…なんで?
なんで、私の事、追い掛けてくれるの?

こんな事して大丈夫なの?
私の事抱きしめてる姿、あの女の人に見られてるんだよ?


どうやっても言い訳できなくなっちゃうのに…
いいの…?


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