オトナな初恋
『ちょっと大丈夫?
拓海!!あんた、何したの??』


私の所へ駆け寄ってきた、女の人…お姉さんは、道路に座りこんでた私を見て、拓海さんに何かされたと勘違いして、凄い剣幕で言ってきた。


続いて関口主任もゆっくりと近付いてくる。
さっきまでの雰囲気と違う所を見ると、きっとお姉さんから、二人が姉弟だと聞いたんだろう。

『俺は別に…』

『全く…女の子泣かせるなんて…
…えーと、亜希ちゃんだっけ?立てる?せっかく可愛い恰好してるのに、そんな所に座ってたら、汚れちゃうよ?』


そして、手を差し出された



「…はっはい!大丈夫です!!ごめんなさい!心配かけちゃって!」


慌てて立ち上がろうとした……けれど、立てない。
本当に腰抜かしちゃったみたい。



『おいッ!?立てないのか!?』


『やだ、拓海、本当に何したのよ!』


『だから、何も…』


「違うんです!!私が…勝手に勘違いして…
二人が姉弟だとわかったら安心しちゃって…それで…腰が…」


言っているうちに、恥ずかしくて、俯いてしまった。



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