オトナな初恋
お姉さんのいうことに頭を振る事しか出来ない。



『…拓海も、きっと何か考えがあっての事だったと思うから…二人でちゃんと話してね?』



「…はい。」



『あ!遅くなっちゃったけど、私、拓海の姉の舞です。亜希ちゃん、これからもよろしくね?』



「!! さ、桜井亜希と言います。こちらこそ…仲良くして下さい!
今日は…本当にごめんなさい…」



『ふふっ。今度ふたりで話そうね。じゃあ私帰るわ!』


『おいッ。ひとりだと危ね―から、送ってくよ。』


『馬鹿ね。あんたが私を送ったら、亜希ちゃんはどうするのよ。タクシー拾うから平気よ。』


『僕が送っていくよ。』



関口主任の事、すっかり忘れてた。



『もう、亜希ちゃんにウソとかつくなよ?二人のゴタゴタに巻き込むのもこれでおしまいにしてね?』


そう言って、関口主任は舞さんと一緒に、大通りへと消えて行った。





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