オトナな初恋
残された私達。

すごく気まずい…


私の前に屈み込んで、背中を向ける拓海さん。


「?」


『まだ立てないんだろ?だから背中に乗れ。』


おんぶ?って事?


「や、でも。」


『いいから。いつまでもこんな所いれないだろ。さっきからジロジロ見られてるし……それとも抱きかかえた方がいいか?』


「!!」

それってお姫様抱っこ!?そっちの方が恥ずかしいし、もっとジロジロ見られちゃうよ!


『わかったら、さっさと乗れ。』



「〜はい…」


恐る恐る肩に手をかける。

『もっとしっかりくっついとけ。落ちるだろ?』


「―ッ。はい。」



うぅ。恥ずかしいよ。







私をおんぶして歩く拓海さん。


…髪の毛、まだ濡れてる…

居なくなった私をすぐに探しにきてくれたんだね…



拓海さんの肩に顔を埋める。


「…ご…めんなさい…」






『…すげー心配した。』






「―ッ!!…ご、め…なさい…ヒック…」



『…もういいよ…
俺の方こそ…ごめん…』





.
< 135 / 362 >

この作品をシェア

pagetop