オトナな初恋
どうしようと考えていると、残ってた人達が一斉に入り口のほうへ向かって来た。


慌てた私は物陰に隠れる。

こっそり覗いて見ると、帰る人達の中に早坂主任の姿はない。


出ていった人達が居なくなってから、もう1度総務部の中を確認すると、広いフロアに1人だけ座ってる早坂主任。


今しかない!!


「失礼します。早坂主任今よろしいでしょうか?」


そう声を掛けた。


ゆっくりと振り返る。


早坂主任は私を見て立ち上がった。


『何?』


「あ、あの土曜日にお借りしてた傘を返しに来ました。」


『あぁ。』

そう言ってこっちへ歩いて来た。



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