オトナな初恋
頭をポンポンとされて体が離れる。

それが、嫌で、私はギュっとしがみついた。

「離れたくないの。」


『ちょっとだけ離れて。じゃないと…押さえ利かなくなるだろ?』


「…いや。…押さえなければいいじゃないですか。離れたくないの。それで、拓海さんが我慢できないなら、我慢しなくていいですから…。」


自分でも大胆だなって思った。


『は?…だって…さっきお前…駄目な日だって…』


「え?…あ!?」

そうだった。さっき、ついそう言っちゃってたんだ!

「違ッ!さっきは…駄目だったけど…いまは駄目じゃなくって…えっと…あれ?拓海さん?え―と、あは…」


拓海さんは、ウソだと気付いたみたいで…ちょっとムッとした顔になったけど、なぜか意地悪そうに笑って、私を押し倒した。
私は苦笑いを返すことしかできない。




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