オトナな初恋
4章
優しい意地悪
目が覚めた。
あれ?ここ…
自分の家と違う天井を見つめる…
そうだ。拓海さんの家だった。
一緒にいたはずの拓海さんがいない。
「拓海さん?…ッつ。」
下腹部に痛みが走った。
痛みで、はっきりと思い出す。
そうだ、私とうとう…拓海さんと、結ばれたんだ。
お腹が痛くないように、ゆっくり起き上がった。
『起きた?』
寝室の入り口から拓海さんが顔を出す。
上半身裸で立つ拓海さんを見て、ドキッとした。
「私、あのあと…」
『疲れたのか、意識飛んだみたいだな。大丈夫か?』
「はい。」
本当はお腹が少し痛かったけど、心配されたくなくて、そう返事をする。
『まだ横になってろ。
ほんとは、起き上がるの辛いだろ?今日…泊まっていけばいいよ。』
「泊まってもいいの?」
『当たり前だろ。』
よかった。まだ一緒にいれるんだね。
『まだ一緒にいたいし。』
私だけじゃないんだ。
拓海さんもそう思っててくれるのが嬉しい。
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