オトナな初恋
私はその日、拓海さんに電話をして、拓海さんの家へ向かった。更衣室での事を話す為に。



『俺らの仲を知られた…て事か。』


「なんか、肯定も否定も、しない内に、話がどんどんと、付き合ってる方向で進んじゃって…ごめんね?」

キッチンを借りて、ご飯を作りながら、リビングにいる拓海さんへ謝った。


あれから何回か、遊びに来て、一緒に家でご飯を食べる様になった。


だって、外食の時、拓海さん絶対、私のお金受けとらないんだよ?

毎回奢りって、私は気が引けて、こうして家で作ったりするようになった。


『いや?否定しても、余計疑われるだろうし、好きに思わせておけばいいんじゃん。』


ソファに座りながら、私を見て言う拓海さん。


「バレても平気なの?」

料理の手を止めて聞いた。
『何が?』

「いや、仕事に影響とか…」


『しっかりやってれば、文句も言わないだろ。てか、言わせないけどな。』


…本当に?恋人同士、同じ仕事を手掛けてるって、部長とか、良く思わないんじゃない?


『亜希?』


「ちょっと心配。…付き合ってるから、異動とかさせられたら、せっかく仕事のやり甲斐感じてきたところなのに…」

.
< 158 / 362 >

この作品をシェア

pagetop