オトナな初恋
『何がおかしい?』


笑われたことにムッとしたのか、早坂主任はさらに深いシワを作って尋ねてきた。


「いえ、確かにその通りかもと思っただけです。」


眉間にシワが…って言うのは、やめておこう。


だって今こんなに普通に話せているのに、不機嫌させてしまったら、もったいないもの。


『関口にも謝るよう言っておくよ。』


「いいえ、あの時言われましたし、もういいんです。」


そう関口主任にはあの時ちゃんと“怖がらせてごめん”と言われていたし、私もお礼もお詫びもしてる。


『そうだったか?』


「はい。そうです。」


そう答えると早坂主任は
フッ… と笑った。


< 17 / 362 >

この作品をシェア

pagetop