オトナな初恋
『だから、ここにはいないって。わかったら帰ってくれ。』



木下常務の声が聞こえる。

いないって雄太君の事?


誰が来ているんだろう?
今私が出ていくのまずいよね…


そう思ってドアから離れようとした。
けれど聞こえて来た声。



『うそつくな。いないならなんで亜希の鞄大事そうに抱えてるんだよ。ここにいないなら俺が預かっても、文句ないよな?
なのに、それを断るって事は、亜希がここにいるからだろ?』



拓海さんの声。



やばいよ。ここにいるなんて知られたら、また険悪になっちゃう!
昨日それが原因で怒らせたばかりなのに。





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