オトナな初恋
『健太…お前何考えてるんだ?雄太を退院したばかりの叔母さんに預けてまで、どうして亜希を連れて来たんだ?』



『………』




『言うつもりがないなら、連れて帰るから、寝室はそこだな?』





うわっ!拓海さんこっちに来る!?
ドア開けられたら、立ち聞きしてたのばれちゃう!

とりあえず、ベッドに戻っておいた方がいい?






『桜井さんに雄太の母親になってもらいたいんだ。』





…は?








私が?雄太君の?お母さん…って事は木下常務の…奥さん!?




『な…に言ってる?』


ち、ちょっと待ってよ。
いきなりなんでそんな話になってるの?
拓海さんだって驚いているじゃない!





『拓海は桜井さんと付き合っているのはもちろん知っているよ。
昨日の夜だって結局会ったんだろう?拓海からの電話の後、慌てて帰ったからな。』



『…待てよ。俺が昨日ここへ来た時、亜希は雄太と寝てるから帰れって俺を追い返したよな?
俺からの電話で慌てて帰ったなら、迎えに来た時、亜希はもういなかったって事じゃねえか!』




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