オトナな初恋
『家に着くまで寝てろ。』


「拓海さん、話があるの」

起き上がろうとする私を軽く押さえ付けてくる。


『話は後だ。いいから寝てろ。また高熱でたら大変だぞ。』


ドアを閉めて、運転席へ周り込み、車を発進させた拓海さんに私は横になったまま、話しかけた。



「拓海さん。運転しながらでいいから聞いて?
昨日はごめんね。雄太君が一緒だったとしても、男の人の家にあがるのは軽率だったね。」


『………』



「雄太君にたくさんお願いされて、断れなかったの。昨日は家に行って、雄太君の部屋で本を読んであげただけ。本当だよ?雄太君は読んであげてる内に寝ちゃったけど、私はその後帰ろうとしてて、調度拓海さんから電話が来たんだ。」





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