オトナな初恋
私は首を傾げた。





拓海さんは体を離して、財布を取り出し、中から1枚の折りたたんでる紙を取り出す。







『昨日急いで区役所に行ってこれもらって来た。』






区役所って……
もしかして…?






『婚姻届け。警備員に頼み込んでもらってきたんだ』







開いて見せる拓海さん。




「あ…」




夫になる欄の方は全て記入されている。






『あとさ、これ…今日1日中見て回って探して来た』





出されたのは小さな箱。





『開けてみて?』







これ…指輪の箱だよね?



ゆっくり開けると、中から出て来たキラキラ光る指輪。
拓海さんはそれを取り出して私の左手の薬指にはめる



『よかった…ぴったりだ。サイズ直しは日にちがかかるって言われて、亜希の指に合うサイズ探し回ったんだ』





私は何も言えずに拓海さんと指輪を交互に見るだけ。






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